セミナー「アミラーゼの発見」

 勤務校では、学習内容を広げたり深めたりすることを目的に、1・2年生を対象に特別セミナーを開いています。今日の4、5時間目はわたしが講師を務め、「アミラーゼの発見」というテーマで行いました。


 酵素の主成分はタンパク質です。フランスのペイアンとペルソは、麦芽の搾り汁に含まれるデンプンを分解する物質を分離してこのことを確かめ、この物質をジアスターゼ(アミラーゼ)と命名しました。彼らはこの物質がエタノールに不溶性で非耐熱性であることからタンパク質だと考えました。セミナーではこの実験を追試することをねらいとしています。



 事前に予備実験をしましたが、麦芽の搾り汁にエタノールを加えて白色沈殿ができるのは観察できますが、ろ紙を用いてこの物質を採り出すことができません。この物質が採れなければ、デンプンを分解させてアミラーゼであることや非耐熱性であることを確かめたり、タンパク質を検出するビウレット反応やキサントプロテイン反応を行ったりすることができません。予備実験をさらにやりたいところなのですが、本番用の麦芽を確保するために、材料を使うことができなくなりました。




 本番では、ろ過して沈殿物を採ることをあきらめ、一か八かで遠心分離器を用いて沈殿物を採ることにしました。やってみると、見事に白色沈殿を得ることができました \^o^/ 。この白色沈殿を蒸留水に溶かして、確認実験を行いました。ビウレット反応では紫色、キサントプロテイン反応では橙色になり、この物質がタンパク質であることが分かりました。また、この物質とヨウ素液をデンプン溶液に加えると、はじめは青紫色でしたが、しばらくすると色が退色していき、この物質がデンプンを分解することが分かりました。この物質を加熱して同様な実験を行うと色は退色しません。


 セミナーでは上記実験ほかに、麦芽種子がデンプンを分解することを確かめたり(1月29日参照)、かたくり粉に熱湯を加えてデンプンのりをつくり、それにジアスターゼ(市販薬品)を加えて模擬消化を体験した後、それを煮詰めて「麦芽あめづくり」をしたりしました。すべての実験が何とか成功し、ほっとしました。もっとはやくに予備実験を行えばよかったと反省しきりです ☆/(x_x) 。


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