三村隆男「キャリア教育入門」
高卒生の高い早期離職率(48.2%)、フリーター(201万人)やニート(64万人)の高水準での推移がみられ、子どもたちが自らの適性や能力に応じて、主体的に進路を選択できていない実態がクローズアップされています。
そのために「キャリア教育」の推進が重要であるといわれながらも、教員の中にはキャリア教育そのものを知らなかったり、卒業時の出口指導ばかりに力を入れて行っていたりする実態もあります。
- 作者: 三村隆男
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2004/09
- メディア: 単行本
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この本は、入門とうたっていますが、これだけの内容を理解していればキャリア教育のスペシャリストにもなれるかも。大きく、理論編、実践編、組織編、資料編から構成されています。
理論編では、キャリア教育の成り立ちについて、職業選択の理論(パーソンズ)、職業的発達理論(スーパー)、職業的パーソナリティ理論(ホランド)、自己効力理論(バンデューラ)などの理論を交えて説明しています。実践編では、キャリア教育の6つの活動展開と「学習プログラム」の4能力領域の関連を中心に実践にあたっての具体的な考え方や方法を説明しています。また、組織編では、キャリア教育の立ち上げについて、Q&Aを交えて説明しています。
三村さんは元高校の教員だけあって、現場を踏まえた説明であり、大変わかりやすいものとなっています。これからキャリア教育に取り組んでみようと思う方、体系的な知識を身に付けたいと思っている方、もっと詳しいことが知りたい方、すべての教員必読の書だと思いました。
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