鳥居哲也「フリーター・ニートになる前に読む本」
- 作者: 鳥居徹也
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2005/06/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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鳥居哲也「フリーター・ニートになる前に読む本」三笠書房を読みました。章立ては以下の通りです。
- フリーターの落とし穴って何?
- 「会社さがし」7つの視点
- 今まで業界関係者が書かなかった「学校さがし」8つの真実、大公開!
- 「働くことの意義」をいかにして教えるか?
各章が簡潔に書かれ、クイズもあり、大変読みやすいものとなっています。また、本書内容のパワーポイントが、ホームページからダウンロードできる特典もあります。息子にそのパワーポイントのクイズを見せると、喜んで答えていました。
クイズには、1)フリーターは、全国に何人いるか、2)フリーターの反対語は何か、3)生涯年収は、フリーターと正社員では、どれほど差があるのか、4)フリーターが風邪を引くといくらかかるか、などです。このクイズは、本書の第1章の最初に当たり、この内容から始まります。
本書は、手っ取り早く、フリーターと正社員との損得を教えてくれますが、キャリア教育の視点では、あまり好ましい内容だとはいえません。キャリア教育は、「児童生徒一人一人のキャリア発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な意欲・態度や能力を育てる教育」です。まず損得ありきという考え方で、キャリア形成の意欲・態度や能力を育てていくのはおかしな話です。違和感を感じました。
また、本書のスタンスは、複数時間を要する投げ込み教材といったもので、オリジナルな視点があまり感じられませんでした。小杉礼子さんのフリーターの分類、国民生活白書、池谷他「海馬 脳は疲れない」朝日出版社、向山「教師修行十年」、マズローの欲求5段階説など、様々な情報を入れ込んでいます。
キャリア教育は、教育活動全般にわたって、子どもの発達段階を踏まえて、計画的に行わなければなりません。その意味では、本書の内容そのままは、キャリア教育の計画中には位置付けられにくいところがあります。
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