『「学び」で組織は成長する』を読みました


「学び」で組織は成長する (光文社新書)

「学び」で組織は成長する (光文社新書)

 


 吉田新一郎「『学び』で組織は成長する」光文社新書を読みました。この本では、企業、行政、学校、NPOなどの組織で使える22の学び方をオムニバス風に解説しています。学び方は次の通りです。

  1. 一人でできる学び:1)ジャーナル、2)シャドーイング、3)インタビュー、4)自己開発計画、5)読書、6)サバティカル
  2. 二人でできる学び:7)メールの交換、8)相互コーチング、9)メンタリング、10)ジョブ・シェアリング、11)週刊ジャーナル
  3. チームでできる学び:12)アクション・ラーニング、13)チーム改造計画、14)メーリングリスト、15)アクション・リサーチ、16)会議
  4. 組織レベルの学び:17)変化の担い手の養成、18)哲学クラブ、19)ニュースレター、20)ワークショップ、21)オフサイト・ミーティング、22)他社訪問


 それぞれの学び方の解説では、ある人とその学び方との出会い、そして、そこで得られた成果が簡潔に書かれ、学び方の全体像がまずわかります。次に、学び方の具体的な流れ、留意点、さらに学びを深めるための方法、参考図書が示されます。


 この本で、それぞれの学び方をマスターすることはできません。著者の意図も、読者がこの本をきっかけに興味をもった学び方を、参考図書などを参考に深めて実行してもらうことにあるのではないでしょうか。


      


 学びにおいて、日常業務の「計画」−「実行」−「評価」のサイクルの「評価」の後に「振り返り」を加えてサイクルにするとともに、「他者の視点・他者からの情報」→「他の可能性の発見(問題/状況設定、目標、やり方)・自分のしていることへの確信・自信」→「振り返り」→「問い直し」のサイクルの「振り返り」を重ねることを提言しています。また、後者のサイクルは複数あった方が学びが飛躍的に拡大し、仕事のやり方も絶えず改善していけるといいます。


 現在の学校での組織の学びは、十年一日のごとく会議や講義式の研修会です。中期/長期的なビジョンをもつためには、様々な学びを取り入れる必要があるのではないでしょうか。教育改革が学校の外側から波のように押し寄せる中、管理職も、また教職員も古いスタイルを脱ぎ捨て、学校の内側から創造的に教育改革を進めていく学びが望まれると思います。


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