都立高校は死なず−八王子東高校躍進の秘密


都立高校は死なず―八王子東高校躍進の秘密 (祥伝社新書)

都立高校は死なず―八王子東高校躍進の秘密 (祥伝社新書)


 「都立高校は死なず−八王子東高校躍進の秘密」を読みました。八王子東高校進学校で,センター入試への出願率は99.1%です(同校Webページ)。


 校長の殿前康雄氏は,都立高校教頭,都教育委員会人事部管理主事,都立高校校長を経て,2校目の校長として八王子東高校へ赴任しました。殿前校長は,急テンポで教育改革が進む中での,典型的なリーダーシップ型の校長です。

 私は,校長になってからは,国や都の学校改革に関係なく,勤務する学校で自ら新たな方策を考えついたときは,何でも一番にやることが大事だと思ってきました。一番目にやれば,まず,目立ちます。もちろん教育の本道を行く試みや方策でないといけません。

 私は常々,教育改革とは「教員の意識改革」だと考えていて,そのような観点から仕事をすすめてきましたが,「教員」とは,当然「校長や教頭」を含んだ話です。


 殿前校長の取り組んだことは,入学式・創立式典での国歌斉唱,授業観察,進学指導重点校,土曜授業,自校入試問題作問,スキー教室,出前授業,小学校との交流,テロ事件による修学旅行先変更などです。


 校長は,前述の内容を,教員に意識改革を求めながら実行していきます。管理職による授業観察では,人事考課とのかかわりで,授業観察に異を唱える教員と渡り合います。
 また,大学入試の進学実績の顕著な向上を目指すための「進学指導重点校」の指定にともなって,人材確保のため,自校の教員や教育委員会と渡り合います。


 校長として,生徒・保護者・自校の教員・教育委員会・地域を相手に、様々な問題について折衝を重ねます。「大切な仕事は,忙しい人に任せろ。」といわれます。学校も組織である以上,力量のある教員をどれだけ集められるかということが,学校の質を高めるキーとなります。校長には, 「人をやる気にさせる力」「交渉力」が必要だと改めて思いました。


 実名もあり,話の内容から登場人物が誰かもわかるので,八王子東高校周辺では物議を醸しているのでは,と思ってしまいます。


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