バツをマルに変える


ドラゴン桜(10) (モーニング KC)

ドラゴン桜(10) (モーニング KC)


 「ドラゴン桜」の第10巻がでました。テレビドラマの方は、バタバタと終わってしまいました。マンガを読んでいると、ドラマは少々物足りなく感じましたが、サラッといかないと、マンネリになってしまうのでしょう。ストーリー上、学習法ばかりに時間をとるわけにもいきませんし (^_^) 。


 第10巻の方は、少しトーンダウン。読者を惹きつけるようなシーンは特にありませんでした。が、そんな中から1つ、「受験生は楽観主義がいいか、悲観主義がいいか」という話がありました。


 桜木は言います。

 「受験においては楽観主義のほうがいいということだ。常にいい方にいい方に考える。具体的でわかりやすいセルフコントロールを提案しよう。それは・・・・・自分の身の回りに、すべてマルをつけてみる」
 「勉強に集中できなのは、部屋がないから・・・・・とか、部活が忙しいからとか。心の中でバツをどんどんつけていって、だから自分はできないとネガティブに考える。」
 「そうではなく、それらをみんなマルに変えてみる。部屋がないのはマル。かえって自習室で集中できる。部活があるのはマル。生活にメリハリができて充実感を得られる・・・・」


 もとになる理論は、元アメリカ心理学会の会長マーティン・セリグマンの改訂学習性無気力感理論*1です。
 人にはそれぞれ物事のとらえ方(認知のパターン)があって、それが感情のコントロールに影響を及ぼしています。いつも物事をネガティブに考える人は、物事を歪んでとらえています(認知の歪み)。その認知の歪みを修正することによって、感情をコントロールすることができます。


 バツをマルにとらえ直すことが、認知の歪みを修正することになります。でもこれが必要なときって、余裕が無いときですよね。ということは、セルフコントロールは、なかなか難しいということですか (^_^;) 。


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*1:セリグマンは、学習性無気力感(いかなる能動的行動も嫌悪刺激からの回避には役に立たないという経験を通して無気力が学習されること)を明らかにした。また、この学習性無気力感の理論を用いて人の抑うつ状態の原因帰属を説明することを試み、原因帰属という認知の概念を加えた「改訂学習性無気力感理論」を提唱した。