池上彰さんを知っていますか



 池上彰さんを知っていますか。池上さんは、この3月まで、NHK「週間こどもニュース」でお父さん役をやっていました。わたしは、今度の金曜日に開かれる人権講演会で、池上さんのお話を聞きます。


 その予習として、「こどもにも分かるニュースを伝えたい」新潮社を読みました(^_^)。読んで驚きました。池上さんはなんと今年の3月に、NHKを退社していたのです。池上さんは、もともと記者で採用され、松江、呉で地方記者をした後、東京の報道局社会部で、事件、事故、災害、教育問題、消費者問題の担当記者として活躍された後、キャスターになりました。


 池上さんが記者として取材したニュースで、わたしが鮮明に覚えている事件は、新宿京王バス放火事件(1980)、羽田沖日航機墜落事件(1982)、御巣鷹山日航ジャンボ機墜落事件(1985)などです。現場からのレポートもよくされていたそうです。


 記者として、現場レポートでは、次のようなことに気を付けていました。

  1. 現場にいないとわからない「何か」を伝える。正確にわかりやすく伝えるだけならば、アナウンサーが、スタジオからニュースを読んだほうがまし。
  2. 視聴者の知りたい順番にレポートの内容を組み立てる。まず、「いま現場はこうなっているんです」という内容から。「つかみ」が大切!
  3. 内容を頭に叩き込み、原稿を見ずに、常に視聴者(カメラ)を真正面から見る。


 また、キャスターとして、ニュースについては、次のようなことを常に考えていました。

  1. 視聴率至上主義に陥らず(視聴者に媚びずにということ)、必要なニュースは、どんなに堅くてつまらなくても伝える。そのときに、どうすれば、わかりやすく興味をもってもらえる伝え方ができるか、努力を惜しんではいけない。
  2. 大人にとっては常識になっていること、すなわち子どもが知らない暗黙知に気づき、その部分を子ども向けに背景から書き込んで説明する(「週刊こどもニュース」について)。


 この本を読んで、池上さんの記者として、キャスターとしての仕事に向かう姿勢に学びました。そして、教師の「教える」ということ、記者やキャスターの「報道する(伝える)」ということ、これらに多くの共通点があることがわかり、たいへん興味深く感じました。


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