コンセプトマップを学習に活用しよう


 理科を学習する子どもの頭の中を知りたくないですか?(理科でなくてもいいのですが)。子どもの頭の中の認知構造を知る方法としては、現象などを絵で表す「描画法」、キーワードから次々に連想していく「連想法」、そして、事物・現象を互いに関連付けて表す「コンセプトマップ法」があります。


  


 写真は、コンセプトマップ法の概要を、わたしが勝手にコンセプトマップ法を用いて描いたものです(つなぎ言葉*1が少々足りませんが)。コンセプトマップには、活用法が3つあります。

  • 子どものもつ概念を把握するために活用。事物・現象を互いに関連付けて表すので、学習前後にコンセプトマップを描かせると、子どもの概念変容が分かります。また、学習前のコンセプトマップで診断的評価が、学習後のコンセプトマップで総括的評価が可能です。
  • 学習のツールとしての活用。個人で、またはグループでコンセプトマップをつくり上げることで、子どもの思考の練り上げができます。また、リンクやその階層構造を意識させることで、学習内容の整理ができます。
  • 評価のツールとしての活用。評価規準に照らして評価することが大切です。例えば、日常との関連やリンクの広がりを見ることにより、「関心・意欲・態度」を見取ります。自らの考えを分かりやすく表しているかどうかで、「技能・表現」を見取ります。リンクの有効性、つなぎ言葉の的確さから、「知識・理解」を見取ります。


 子どものコンセプトマップを評価するときには、教員が作成したコンセプトマップと比較します。その際、客観性や信頼性を高めるために、複数の教員で作成することが望まれます。

 
 「ドラゴン桜」の第7巻では、地学や世界史を、「メモリーツリー」という図を描いて学習します。これもコンセプトマップと類似のものです。また、「イメージマップ」「ウェブマップ」「マインドマップ」も同様です。これらの理論の源は、アメリカのオースベルという教育学者の「有意味学習*2」にあると思います。


教室学習の心理学

教室学習の心理学

 この本は、厚さが5.5㎝あります。わたしがもっている単行本の中では、1番の厚さです。もちろん全部読んでいません(^_^)。

  

*1:リンクとリンクの間の言葉

*2:新しい知識を、既有知識に意図的に関連付ける学習。対極は、機械的学習。