IT活用と教科学力との関係 


 ベネッセは、「学力向上のための基本調査2004」を実施し、IT活用と教科学力との関係などについてその結果を公表しました。

積極的に「IT活用」を行っている教師が担当した子どもほど、教科学力が高くなる傾向が見られる。


 教師のIT活用状況に関する6項目の回答結果(映像提示や情報収集、プレゼンテーション、レポート作成など)を得点化し、教師を上位群(15%)、中位群(70%)、下位群(15%)に分類し、子どもの教科学力の平均偏差値と比較した。すると、小学校では強く正の相関を示した。

 「IT活用」の効用は、「学習指導」の要素をしっかりと押さえた授業実践を前提に発揮される。

 学習指導に関する8項目(課題探求型の授業、合科的な指導、生活・社会事象と関連させる指導、復習的指導など)から教師の「学習指導スコア」を算出。平均以上を○、平均未満を×として、子どもの教科学力との相関を見た。その結果、「IT活用」「学習指導」が平均以上の教師が担当する子どもの教科学力が最も高く、両者とも平均未満の教師が担当する子どもの教科学力が最も低かった。「学習指導の方法」がきちんと設計・実践されている場合に、「IT活用」は成果を発揮している。逆に、「IT活用」をせず、従来のメディアの範囲内で授業改善に注力しても、「IT活用」+「学習指導」による授業改善を行っている教師を凌駕できない、という結果を示した。



 教師の「ITの活用状況スコア」と「学習指導スコア」の関係は、どうなんでしょうか。おそらく、強い正の相関があるのでは。おおむね、ITを活用できる教師ほど学習指導もしっかりしていると思います。とすると、上の結果は自明ですね。



 今から13年ほど前、勤務していた高校で、コンピュータ導入を県へ働きかけていた時、ある方から「コンピュータを導入するからには、それで学習効率を上げ、受験に役立てなければならない」と言われたことを思い出します。当時理科では、実験が不可能な現象のシミュレーションソフトの利用やコンピュータに実験用センサーをつなげて使うことを考えていたので、学習効率を上げることには、無理を決め込んでいました。今では、こんなこと言う人はいないですよね(^_^)。