南限のスズラン群落

ote2005-06-04



 奈良県都祁村吐山のスズラン群落を見てきました。あと2週間早く訪れれば、もっとたくさんの花が見られたのですが。


 スズランはユリ科の多年生草本で、北海道や本州中北部に多く自生します。この地のスズラン群落は、その分布の南限にあたります。海抜は500〜600m、夏季でも冷涼で、周囲のクヌギ、コナラなどの落葉広葉樹が日中の直射光が林床に届くのを適度にさえぎる役割を果たしています。


        


 地下茎を細く四方に伸ばし、株をつくり、ひげ根を出して繁茂します。通常2、3枚の葉と1本の花茎からなります。花は、4〜5月ころ、15〜25㎝の花茎の先に、葉より低く数個の白色壺形の芳香のある花を下向きにつけます。


        


 鈴に花の形が似ており、また、葉や花が蘭に似ているところからスズランの名がつきました。

 地方名ではシズランや別名では君影草(きみかげそう)といいます。この名の由来は、花が葉よりも低いところに咲き、葉の影に隠れるように見えるからだそうです。


 よくガーデニングで植えられているスズランは、ヨーロッパ原産のドイツスズランで、花はおおぶりです。

   鈴蘭のりりりりりりりと風に在り   日野草城