子どもはなぜ進んで学習をするのか


 昨日の「人はなぜウェブログを書き続けるのか」ということに引っかけて、「子どもはなぜ進んで学習をするのか」ということを考えてみました。


 学校にかかわった学習に、「宿題」があります。この「宿題」は、いわば強制的なもので、やらなければならない学習です。それに対して、「進んで勉強」、「自学」などは、子どもの自主的な学習です。もっとも、これらの学習が、宿題として出されることもありますが (^_^) 。


 「進んで勉強」とか「自学」を継続することにも、ブログを書き続けるのと同様のプロセスがあると考えます。つまり、「進んで勉強」をしたいという欲求 → その効用 → 満足 → 継続意向というプロセスです。


 「進んで勉強」をしたいという欲求には、いくつかの要因があります。内的な要因としては、1)授業が分かりたい、2)成績を上げたい、3)学習内容に興味をもっているので、もっと知りたい。外的な要因としては、1)先生にほめられたい、2)友達から認められたい、といったところでしょうか。


 「すすんで勉強」をすることによる心理的な効用は、欲求に対応します。自分とのかかわりでは、1)授業が分かるようになった、2)成績が上がった、3)ますます興味がわいてきた、4)分からない・知らないということに対する不安が減った、5)やればできる*1。他者とのかかわりでは、1)先生に認められた、2)友達に認められた、といったところでしょうか。


 このような心理的な効用によって、満足感が得られ、さらに「進んで勉強」をやろうとする継続意向いわば学習意欲が涌いてくるものだと思います。


 また、この「進んで勉強」を続けようという継続意向(学習意欲)は、「すすんで勉強」をしてきたことをほめてやったり、さらに継続するように励ましたりすることで、より意欲が増します。例えば、小学校の低学年ならば、花丸をつけてあげたり、高学年ならば、賞賛や励ましや新たな疑問をコメントしてあげるとよいでしょう。


 小学校の頃わたしは、「すすんで勉強」をした回数がクラスで一番でした。黒板の下に、「進んで勉強」のクラス一覧の表があり、1日につき○を一つ書き込むことができました。友達よりも○の数が突き出ているのを見るのが楽しみでした。実際、いろいろなことに興味をもって「進んで勉強」をしていたのですが、それとともに、先生や友達に認められたいという気持ちや○が増えるのが励みでやっていたのではないでしょうか。ちなみにわたしは、「宿題」忘れもクラスで一番でした(@^^)ゞ ポリポリ。


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*1:自己効力感:努力すれば好ましい変化を達成できるいう自信や見通し