シラバスってなに (1)
「わたし、春休みを使ってこの一年間の授業シラバスをつくったの」って言うじゃない。
でも、あなたがつくったのは、ただの年間計画ですから。残念!
シラバス(Syllabus)ってよく聞きますよね。でもシラバス本来の姿を知っている人は少ないのではないでしょうか。
シラバスが、学習内容とその実施月を示した単なる授業の年間進行表であっては困ります。生徒が日常の学習の中で、活用できるものでなければなりません。では、シラバスにはどのような役割が期待されているのでしょうか。
授業成立に関する教員と生徒との約束
学習内容やその学習目標を実現した状況(評価規準)、評価方法をシラバスに示します。これにより、教員の指導に従って授業を受ければ、評価規準に示した力は付きますよという生徒との約束にもなります。また、授業でのルール(例えばレポートの提出の遅れや補習など)をあらかじめ知らせておきます。そうすることによって、ルールを破った生徒には厳格に対処することができます。
生徒の見通しをもった学習
該当科目全体の構成をシラバスに示すことにより、生徒は常にその科目全体のどの部分を学習しているのかが分かります。そうすることにより、体系的な理解が深まります。
生徒の自学自習
学習内容と関連した参考図書、参考Webページ、問題集のページ(問題番号)をシラバスに示すと、学習の進度に合わせて生徒が自学自習ができます。また、休業中の課題なども示すと、生徒は早くからその準備に取りかかれます。
教員の授業設計の明確化
シラバスをつくるためには、授業全体を設計する視点が必要です。教員の授業設計が明確となり、授業の準備が周到になります。
「シラバスってなに (2)」では、その作成手順について書いていきます。
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