「生物基礎」の問題点



 本年の第1学年の入学者より理科、数学、総合的な学習の時間において、新学習指導要領が先行実施されています。本校では、理科は「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」を各2単位ずつ実施しています。この基礎科目は、いろいろと問題があります。まず、その内容ですが、多岐にわたっており、本文の内容は簡潔に書かれていますが、本文と同じぐらいの分量で「コラム」「発展」のコーナーがあり、それらをどこまで教えるかが難しいところです。例えば細胞にしても、本文では光学顕微鏡レベルの説明があり、「発展」では電子顕微鏡レベルの図が掲載され、「コラム」では細胞の発見や顕微鏡の種類や分解能の内容があり、そのコラムの中には大切な専門用語として太文字で強調されたものがあります。これらすべてを教えていては1年間で教科書を終えることは到底できません。


 また、大学入試センター試験への対策が難しいことです。すでに理科の入試科目として、東大や京大の文系学部では「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」から2科目選択が決定されています。本校でも難関大学受験者対応のため、文型でも2年生以後に理科2科目を計2単位でいかに学習させるかという問題があります。生物と化学で1単位ずつでは学習効率が悪いですし、例えば2年生物、3年化学と学年で割ることは受験対策上有効ではありません。一人の教員が生物と化学の両方がもてればよいのですが、専門性の問題もあります。


 ここ1、2年は混乱するのでしょうね。徐々に形ができて、直にその形に慣れるようになるのでしょう (^0^) 。


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