西川善文 『ザ・ラストバンカー』 を読みました。


ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録

ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録


  「事実は小説より奇なり」とよく言われます。テレビなど見ていてもフィクションは安っぽくて、途中で見るのがいやになったりします。やっぱり、ノンフィクションには迫力があります。


 この『ザ・ラストバンカー』の著者の西川善文氏は、住友銀行三井住友銀行の頭取、そして、日本郵政初代社長を務め、常に「破綻処理と再建」に真っ向勝負をしてきた方です。安宅産業処理、平和相銀・イトマン事件、銀行大併合、小泉・竹中郵政改革。いずれも戦後の経済界の大きな出来事です。まさにそれらの出来事はノンフィクション。その渦中で、日本経済のために常に全力疾走してきたのが西川氏です。この本にはその全力疾走の様子が凝縮されています。その当事者が書いているのですから、緊迫感も自然と伝わってきます。そして、何を隠そうこの西川氏は本校の卒業生なのです。在学中はソフトテニス部に所属し全国大会へ出場され、大阪大学法学部に首席で入学されたそうです(本にはそう書いてありました)。そんなことで、年末にこの本を手に取りました。


 西川氏の言葉で印象に残ったのは、三井住友銀行頭取就任時の挨拶の中の言葉です。学校経営も含め、すべての経営について共通して言えることです。

「スピードとは他のどんな付加価値よりも高い付加価値だ」

「実践を重んじる行風の育成とは、進取の気概を持ってプロセスの検証と改革を積み重ねる点にこそ意味があるのだ」

「経営は、失敗を全体として一定範囲内に納める技術とも言える。完ぺき主義、満点主義からは何も生み出せない」


 年末、この本を買ってまだあまり読んでいないとき、本を校長室へ持って行って、「OBの西川さんを生徒の講演に呼びたいですね」と校長に話しました。今日この本を読み終えて、ますますその思いがつのりました。一味違った、迫力ある、生き生きとした講演を生徒のためにしてくれると思うのですが。是非実現させたいです p(^^)q 。



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