T.ミステリ 『核内で動くゲノム』
仕事柄たまに日経サイエンスを買います。表紙のインデックスを見て、「これおもしろそう」というわけで買うのですが、積ん読になってしまうことも多いです ☆/(x_x) 。これまで、読んだ本などのレビューをブログに残していますが、これが意外といけるのです。例えば、話題となった林成之『勝負脳』。これなどは、陸上競技部での訓話としてたまに話すのですが、どんな内容であったかこのブログ内で検索するとすぐに出てきます。
本だけではなく、学校行事などで前回はどうであったか、この場面でどんなことを話しをしたのかなどすぐに検索できるので、私の備忘録となってっています。そんな意味で、今回買った日経サイエンス5月号 T.ミステリ『核内で動くゲノム』 について記録を残しておきます。
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2011/03/25
- メディア: 雑誌
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- 蛍光色素を結合させた1本鎖DNA断片のブローブ(検出子)による染色体ペインティングで、核内の染色体の状態が近年明らかになってきた。
- 染色体は普段はほどけた状態になっている。だが、核内にでたらめに散らばっているのではなく、それぞれの居場所が決まっていて、その配列は細胞の種類によって異なる。
- 核の中心部には、RNAポリメラーゼや転写因子が存在する「転写ファクトリー」があり、活性化した遺伝子はそれらを共有している。
- こうした染色体の配置は、そこに載っている遺伝子がONの状態であるか、OFFになっているかと関連がある。頻繁にONになる遺伝子は核の中心部に、使われない遺伝子は核膜の近く周辺部に位置する傾向がある。
- 分化した細胞では核膜の内側にラミンタンパク質が出現する。ラミンは不活性なDNAを核周辺部につなぎとめる役目があるのではないか。また、ラミンはES細胞にはほとんど存在しない。
- 受精卵から大人になるまでの発生段階にともない、染色体の位置は変化する。また、がん細胞など、異常な細胞では染色体の位置が通常とは異なっている。
- 核内の染色体の居場所が決まっているので、特定の転座が生じる。8番染色体にあるMYC遺伝子と14番染色体IGH遺伝子の転座はバーキットリンパ腫の原因。
- 染色体や遺伝子の位置を調べることで、がんの早期発見が可能になるかもしれない。