全校人権学習会 −生徒スピーチ−



 昨日は学年末考査の答案返却の後、「全校人権学習会」が行われました。22年間続いている学校行事です。1年間の人権教育のまとめとして、1、2年生全員で優秀人権作文の発表を聴いたり、人権にかかわる映像を見たり、各HRで生徒がスピーチをしたりします。3名の人権作文を聴いた後、NHK「翔べ!不死鳥JAPAN −もうひとつの”WBC”物語−」を視聴しました。そして、HRへ移動。


 スピーチの内容については先週の金曜日に、「人権にかかわることならばなんでもいいよ」と予告していました。教室へ入ると、「何喋ろう」「考えてへん」「何分喋るの」なんて話をしています。「1分ぐらい」というと「一人2,3分と思ってた」と言います。でも1分って結構長いんですよね。



 スピーチをする順番はありません。自分でスピーチができる準備が整った者から、教卓の所へ行って話すことにしました。端の席から順番に話をさせると、途中なんとなくいい加減になってしまうからです。生徒にとってはハードルの高いスピーチとなりました。まず、私が初任者で定時制に勤務したときのことを話をしました。「それぞれがそれぞれの境遇の中で生きている。自分を中心に見るのではなく、少し引いて周りの人を見てみよう」というようなことで締めくくりました。「それでは話せる人から話してください」とスピーチを促しました。しかし、誰も出てきません。なんやかやと励ましの言葉を入れながら促すと、3分ほど立って一人が前に出てきて話を始めました。話し終わると拍手。そしてまた沈黙。しばらくして「俺行くわ」と前に出て話をします。そんなことが何回か続き、場がだんだんと和んできました。しかし、何人かが話すのですが、途中でまた途絶えます。そんなふうにして39名が無事話し終わりました。時間にすると1時間15分かかったでしょうか。


 話の内容は、「4月に不安な気持ちで入学して友達ができたこと」「障害を持った人に話しかけられたこと」「老人に席を譲ることができなかったこと」「学ぶ権利があることを知ったこと」「いじめについて」「これまでクラスで協力し合えたこと」「人権学習での態度こと」 「中学校までは人に気配りできなかったこと」「自分の性格のこと」などなど。


 このスピーチの目標は、早い順番で話すことでも、立派な内容を話すことでもありません。みんなに自分の思いを伝えることです。ですから、自分の話せるタイミングで話す必要があると思うのです。39名がそれぞれ、それぞれの内容をそれぞれの思いをもって話をしてくれました。このようなことは、クラスでの仲間づくりができていないとなかなかできません。「中学では全員が出席するなんて考えられなかった。残り少ないけど、全員出席していきましょう」という発表で終わりました。緊張しながらもみな頑張ってくれました。生徒たちからは、みんなの思いを聞いて一体感をもったような表情が見て取れました (^_^) 。


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