ABO式血液型の判定


 2年生で履修している「生物 I 」の「内部環境の恒常性」では、「生体防御」が学習内容として扱われています。しかし、「タンパク質の機能」についての学習が「生物 II 」での取り扱いなので、抗原抗体反応について詳しくは学びません。なので、「生物 I 」の抗体抗原反応の記述はとても中途半端です。本校では、「生物 II 」の内容まで踏み込んで授業を展開しています。また、関連した内容として「血球の凝集」についても学習をしています。


 血球の凝集を利用したABO式血液型の血液型判定を、教室で実際に行って授業をしています。15年ぐらい前は、生徒実験でそれぞれが消毒した待ち針(使い捨てします)で指の一部を軽く突き、自分で血を採取して判定をしていました。えらい実験をやっていたものです (^_^) 。しかし、肝炎などの問題によって行わなくなりました。


 授業では、血球の凝集のメカニズムを話した後、私自身が血を採取して抗A血清と抗B血清に混ぜ合わせ、血液型の判定をし、それを生徒に回しました。私の血は、たまたま手の甲に小さな傷をしたときのかさぶたがあったので、それをはがしてカバーガラスの端を使って採取しました。


 左画像は血清です。間違えないように、抗A血清は青色に、抗B血清は黄色に着色されています。右画像は私の血液を混ぜ合わせた結果です。さて、私の血液型は何型でしょう? (正解は文末に)


    


 凝集のメカニズムは次の通りです。


 異なる血液を混ぜ合わせると、赤血球が小さなかたまりになる(凝集する)ことがあります。これは、赤血球表面に抗原にあたる凝集原(A、B)と、血清中の抗体にあたる凝集素(α、β)があり、Aとα、Bとβが出会うと凝集反応を起こすからです。A型の人は凝集原Aと凝集素βをもっているので、凝集反応が起きません。これを利用して、血液型がわからない血液と凝集素を含む血清を混ぜたときの反応で血液型の判定ができます。


 自分のかさぶたをめくって血を採取したわけですが、あるクラスではその血が止まらなくなり、生徒に「ティッシュ持っていないか」とティッシュをもらうはめになってしまいました (^_^) 。ちなみにわたしの血液型はAB型です。両血清ともに凝集反応が起きました。


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