体細胞分裂の観察

「体細胞分裂の実験」



 1年生の「生物 I 」で、体細胞分裂の観察・実験を行いました。九条ネギの種子を使っています。この学校へ来て4年目ですが、体細胞分裂の実験の材料としては一番のできです。分裂像がすぐに見つけられます。



 これまでは、生徒実験を行う前までに「固定」を行うことはありませんでした。生徒実験時に発芽した種子を塩酸と酢酸オルセイン溶液の混合液に浸けて湯煎し、「固定」「解離」「染色」を同時に行っていました。昨年までの3年間このやり方でやっていましたが、分裂像を見つけることがなかなかできませんでした。


 1年生の実験は、わたしが主担当者です。それで、シャーレにネギの種子をまいて発根させ、酢酸とエタノールを1:3に混合した固定液をつくりました。そして、実習助手の方にお願いして朝の10時ごろに発根したネギの種子を「固定」してもらいました。この時間が一番分裂が盛んだと聞いていますから。するとバッチリ。分裂像が多いプレパラートを作成できるようになりました。



 わたしの場合、染色体の染色をしっかりするために、前日から「固定」した種子の付いた根を酢酸オルセイン溶液に浸しておきます。こうすると、染まりがよいのです。また、押しつぶしでは、カバーガラスをスライドガラスにかぶせた後に、つまようじの先で20回ほど軽く軽く試料の部分をたたき、十分に細胞を広げて押しつぶしをさせました。


 生徒の大半が分裂像を観察できていました。分裂像が見つけにくいと、「見えへん」「わからんは」などという声がどんどん聞こえてきます。そうなるとこちらもあせって机間巡視をすることになります。しかし、今日は「あった」「あるある」などという声が聞こえてきました (^_^) 。



 最後に不満を一つ。それは生徒が使っている顕微鏡が古いことです。使っている顕微鏡は昭和40年代の顕微鏡です。平成22年の時代にこんなに古い顕微鏡を使わなければいけないなんて。2、3年では、理型の生徒は学年で200名以上、生物選択者も文型を含めて200名あまり。将来、医師、研究者そして技術者になる生徒も数多くいます。コンピュータ機器の導入には最近熱心ですが、科学技術立国というならば、理科教育にも力を入れて欲しいものです (-.-#) 。


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