創立記念日には、愛校心を高めるべき


 今日は本校の創立記念日。生徒は登校しなくてもよい日となっています。教員も大半は土曜日に行った三者面談の代休を取得しています。わたしは午前中は部活動でした。


 さて、多くの学校では「創立記念日だから学校は休みです」とだけ生徒に伝えられます。その日がなぜ創立記念日となのかという話はあまりされません。かつてわたしが勤務したある学校では、前日に放送を利用して創立記念日の意義について話をしていました。創立記念日は休校にせずに、全校集会を開き、創立記念日を学校をあげて祝ってはどうでしょう。そうできなくても、最低創立記念日の意義ぐらい生徒に伝えたいものです。そうして、学校への愛校心を高め、学校のアイデンティティーを確かめるべきだと思います。


 数人の先生になぜ10月27日が創立記念日なのかを聞いてみましたが、知りませんでした。本校の卒業生の先生でも知らないのです。本校の「百年史」をひもといて、調べてみました。どうやら学校が創立された日ではないようです。巻末に年表があったので、10月27日の日付を捜してみると、昭和8年に現校舎の落成式が挙行された日としてこの日付がありました。


 



 それで、生徒向けのプリントをつくってみました。題して『「10月27日」は何の日?』。学校あゆみや落成式について、「百年史」をもとに構成しました。本校は1896(明治29)年に創立しました。そして、本校地には1933(昭和8)年に移転してきました。移転に当たっては、いくつかの地域から誘致活動が盛んに行われましたが、現在の地元が校地を無償で提供するということで決着したようです。校舎の落成にあたっては、落成式を含め、3日間にわたって祝賀がとり行われました。学校のお披露目には、多くの人が見物に押し寄せたようですし、陸上競技大会や野球招待試合なども開かれました。


 プリントの終わりで、次のようなメッセージを贈りました。

 繭玉から一本の絹糸が紡がれます。皆さんの前には数多くの先輩がおられ、君たちが今この学校に学んでいます。また、君たちも3年後には先輩となります。皆さんはこの3年の間に、自らの中に「わたしはこの学校でこれだけのことはやった」という思いをもって卒業してほしいと思います。それらの思いが集まり、また新たな伝統ができていくのでしょう。素晴らしい糸を紡ぎましょう。


 このプリントを三者面談が始まる前日に生徒に渡して、当時の様子を話しました。また、あるクラスでは授業の時にそのような話をすると、興味深そうに聞いていました。創立記念日について、学校全体で同じ内容でもって、思いを巡らすことができたら愛校心がきっと高まると思います (^_^) 。


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