新教育課程説明会(理科・理数) −その1−

「説明資料」



 理科と理数の新教育課程の説明会が教育研究所でありました。3月9日に文部科学省から高等学校学習指導要領の全部を改正する告示が公示され,理科と数学については平成24年度入学生から先行実施されます。これは,中学校で平成21〜23年度にかけて移行措置が行われ,新課程の内容の一部を前倒し,また授業時数の増加も行われることに伴ってです。


 小・中学校で理科と数学で新課程が先行実施される理由は3つあります。一つ目は,児童生徒や保護者の立場に立てば、可能なものはできる限り早期に実施することが求められていること。二つ目は,円滑に新課程に移行できるようするため。三つ目は,国際的な学習到達度調査の国際順位を上げるためです。この三つ目の理由が大きいことは,渡海文科大臣の国会答弁(H19.12.5)でもあきらかです。 

 私は学習指導要領が決まれば、できるだけ速やかにやれることからやるべきと申し上げていた。今回のPISA(2006)の結果*1も踏まえ、どこからやれるのか、またどこがやれるのか、しっかりと、スピーディーに検討していきたい。


 高等学校の先行実施でも工夫必要です。数学と理科以外は現行課程のままだからです。また,教科書が間に合わなく補助教材を使っての授業となりそうです。科目数は「科学と人間生活」「物理基礎」「物理」「化学基礎」「化学」「生物基礎」「生物」「地学基礎」「地学」「理科課題研究」の10科目。必履修科目については,「科学と人間生活」と基礎を付した科目1科目を含む2科目,または基礎付した科目3科目となっています。「科学と人間生活」のような総合科目の履修が不要で,科目履修の柔軟性が向上したそうです。


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*1:OECDによる国際的な生徒の学習到達度調査のこと。頭字語からPISAと呼ばれる。2006年の結果は,15歳児の読解力15位、数学的リテラシー10位、科学的リテラシー6位だった。