全校人権学習会

人権作文発表



 午前中は学年末考査の返却、午後からは全校人権学習会でした。本校は水平社を立ち上げたメンバーが在籍していたこともあり、人権学習に熱心に取り組んでいます。


 全校人権学習は1、2年生が参加し、講堂で行われます。最初は、夏休みに課題で書いた人権作文の発表です。4名の生徒が発表をしました。わたしのクラスからも、1人の女子生徒が発表をしてくれました。中学時の話しで、障害をもっった生徒とクラスのかかわりについてです。仲のよいクラスメイトの不用意な発言に違和感をもったという話しでした。



 次に、わが校では北海道へ修学旅行へ行っていることもあり、NHK「その時歴史は動いた」、「神々のうた 大地にふたたび−アイヌ少女・知里幸恵の闘い−」を視聴しました。知里幸恵(1903 - 1922)は、カムイユカラというアイヌ伝統の口承の叙事詩を日本語に翻訳した『アイヌ神謡集』を著しました。このことが当時新聞にも大きく取り上げられ、多くの人がアイヌの伝統・文化・言語・風習を知られ、アイヌの社会的地位向上を訴えるきっかけをつくりました。


 視聴の後HRに戻り、この1年間の人権HRを振り返ったり、全校人権学習会を通して考えたり、人権について普段思ったりしていることを一言ずつ全員が発表をしました。クラス全員の前で自分の思っていることを話すことには慣れていないので、緊張気味の発表でした。「国際紛争など今はまだ何もできないが、身近なところから差別について考えていきたい」「人権作文を聞いて、小・中学校時代にいじめを傍観していたが、そのような態度は改めていきたい」「人をいじることはいじめなどにつながっていく。いじりは端から見ていてもおかしい」。決意表明的な内容が多いように感じました。この思いを大切に、しっかりと行動できるようになってください (^_^) 。


 わたしはクラスの生徒の人権作文を聞いて、ノーブレス・オブリージュ (noblesse oblige)という言葉を思い浮かべました。意味は社会的に地位が高い者には、責任と義務が伴うということです。生徒には荒川静香選手が金メダルを取ったときの小坂文部科学大臣の発言を例に話しをしました*1。不用意な発言には無意識が頭をもたげ、また、素養のなさが不用意な発言を招く。将来指導的な立場に立つ君たちは、様々なことを学習して素養をしっかり磨いててくださいと。


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*1:トリノオリンピックで、荒川選手よりも前半で高得点を取っていたロシアのスルツカヤ選手が転倒したことについて、「こけた時は喜びましたね」と不用意な発言をして物議をかもした