フルーツゼリーの作り方


 2限目の2年生理型生物は、「フルーツゼリーの作り方」でした。そのために、昨晩は9時からスーパーに走り、パイナップル、キウイ、フルーツ缶詰、ゼリーの素を買いました。パイナップルはカットされたものを捜しましたが見つからず、丸のまま1個買うはめになりました。


 そして、授業。生徒にフルーツゼリーを作ったことがあるかと聞いたところ、一人だけつくったことがあると答えました(本当はもっといるようなのですが...)。生の果物を使ってうまくゼリーができたと言いました。そんなことお構いなく、「普通、フルーツゼリーを作るときには、生の果物よりも缶詰の方が成功するよ」と話しを切り出しました。


 2年生の生物も「生物I」がやっと終わり、先週から「生物II」に入りました。第1章は生体機能とタンパク質。タンパク質のはたらき、タンパク質の構造ときて、前回はタンパク質の変性について話をしました。そこで、生のパイナップルにはプロテアーゼが入っていて、タンパク質であるゼラチンが分解して固まらなくなるという話しをしました。そしておもむろに、フルーツゼリーを作ってきたといい、1つのシャーレにはゼラチンに生のパイナップルを切ったものを置き、もう1つは缶詰のシロップ漬けのパイナップルをゼラチンの上に置きました。



 するとどうでしょう、2時間程経過すると両者の差は歴然。生のパイナップルは周囲の部分が溶け、パイナップルがゼリーに少し沈みます。一方缶詰の方は、ゼリーの上にきちんとのったままです。


 これは生のパイナップルにはゼラチン(動物性タンパク質)を分解するプロテアーゼが含まれているからです。一方缶詰のパイナップルは、シロップで加熱されているので、プロテアーゼはその立体構造が熱変性を起こし、基質であるタンパク質と複合体を形成することができないのです。したがって、ゼラチンを溶かすようなことはありません。


 説明の後、2つのシャーレを各生徒に回しました。簡単な演示実験ですが、日常と関連付けた教材ですね。


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