卵割の意義


 いよいよ師走に入りました。光陰矢の如しです。さて、最近このブログに、「卵割」「意義」という語で検索して訪れてくれる方が多くいらっしゃいます。生物 I 「ウニの発生」の研究授業の報告した昨年11月22日のブログにヒットするようです(昨年のブログ←ここをクリック)。しかし、ヒットしても指導案に、学習活動として「卵割の意義について考察する」、指導上の留意点として「形態形成の視点から考えさせる」「自由な発想が大切であることを強調する」とあるだけで、卵割に意義については直接書いていないのでがっかりされているのではないでしょうか。


 昨年Webページでいろいろ調べてみましたが、卵割の意義についての記事があったのは、教科書会社啓林館のユーザーの広場の「卵と卵割」だけでした。あとは、石原勝敏「図解 発生生物学」裳華房に「卵割の意義」という項目があることが分かりました。そこで、早速その本をアマゾンで取り寄せました。


図解 発生生物学

図解 発生生物学


 この本によると卵割の意義は2つあります。次のとおりです。

  1. 多細胞動物において形態や機能が多様化するには細胞の移動が必要である。卵割によって細胞が小さくなることは細胞の移動にとって重要であり、形態形成を行うための前提となる。
  2. 卵割によって細胞が区画化されることは大変重要なことである。細胞間に細胞質の相違ができ、それぞれ固有の性質をもつようになる。この相違や性質が細胞の凝集・離反の原動力となり、隣り合った細胞では誘導のような相互作用が生じる。


 卵割の意義は、発生の最初の時間で学習しても理解しにくいことですね。今年は、この単元が終わってから生徒に考えさせたいと思います。


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