毛細管を用いた血液の分離

実験準備物



 国公立大医学部では、センター入試で理科3教科を課す大学が多くあります。今日のぶら下げの6限目は、そのために「生物I」を履修している生徒向けの授業でした。履修生徒は4人です (@_@;) 。今は「体液の循環」で、血液についての学習しています。


 昔、先輩の先生に医療用のヘパリン毛細管を使って、血液の液体成分である血しょうと有形成分である血球とを分離する方法を教えてもらいました。ヘパリンは血液の凝固を防ぐので、毛細管に入った血液は凝固せずに血球だけが沈降します。


 朝、生物研究室の戸棚を整理していたら毛細管を見つけました。その時、毛細管をクエン酸ナトリウム溶液に浸してから血液を吸い上げると、血液が凝固せずに血球が沈殿するのではないかと思いました。


 血液が凝固するには、Caイオンが必要です。血液にクエン酸ナトリウム溶液を加えることによって、クエン酸がCaイオンと結合するので、血液からCaイオンが奪われ、血液凝固を防ぐことができます。


 


 空き時間の5時間目に試してみました。クエン酸ナトリウム溶液を作り、毛細管を浸しました。そして、親指の爪の下にまち針を刺して血液を出し、浸した毛細管(溶液は追い出します)でその血液を吸い上げました。観察すると、血液凝固を防ぐことができ、血しょうと血球に分けることができましたよ \(^_^)/ 。早速、6限目の授業に持って行き、血液の組成について話したところで生徒に見せました。生徒は興味深げに見ていました。


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