『真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝』を読みました。

真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝

真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝

 淵田美津雄氏は、海のない奈良県で生まれ、旧制奈良県立畝傍中学校を卒業後、広島江田島海軍兵学校へ入隊しました。真珠湾攻撃では総隊長となり、「トラトラトラ」(我奇襲に成功せり)の暗号電報を水平爆撃機より発信、攻撃を大成功に導きました。昔、映画「トラトラトラ」でそのシーンを見たような....。


 その後、ミッドウェー海戦では空母「赤城」から脱出するときに両足を骨折しました。それより陸に上がり、横須賀航空隊教官、海軍大学校教官、連合艦隊航空首席参謀、海軍総隊航空参謀などを歴任し、終戦となりました。終戦後は郷里に帰り、キリスト教に帰依し、七回渡米し伝道を重ねました。さすが真珠湾攻撃総隊長の名前はビッグネームですね。渡米では、トルーマン前代大統領、アイゼンハワー大統領、ニミッツ元帥、マッカッサー元帥などそうそうたる面々と会談しています。


 この本は、戦後、淵田氏がこつこつと書き留めた自叙伝を、中田整一氏が編集したものです。自叙伝の間に中田氏が解説が挟み込まれるスタイルになっています。淵田氏は名将といわれる山本五十六を俎上(そじょう)にのせ、各局面での判断ミス、ミッドウェー海戦での山本艦隊の動き、大艦巨砲主義などをもって「凡将」だと言い切っています。


 この本で今ひとつ分からなかったのは、淵田氏がキリスト教に帰依し、何を目指して具体的にどのように伝道していたかです。エピソードは描かれているのですが、日々何を考え伝道に励んでいたのでしょうか。しかしながら、淵田氏の不思議な人生には深く感じ入りました。人いろいろに人生があるものですね。


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