谷本道哉「トレーニングのホントを知りたい!」

ote2007-09-08




 谷本道哉「トレーニングのホントを知りたい!」を読みました。サブタイトルが、”話題の「最新トレーニング法」をブッタ斬り!”という乱暴なものですが、中身は大変しっかりとしたものです。


 目から鱗だったのが、走動作における体幹部(胸椎)と骨盤(股関節)の動きでした。これは、04年になって初めて分かったことらしいのですが、骨盤の回転方向が脚の振りとは反対方向、つまり「蹴り脚側の腰を前に出しながら地面を蹴り、振り出し脚側の腰を引きながら脚を振り出す」というものです。歩くときには、骨盤の動きと脚の動きは同調しているのです。つまり、蹴るときには、蹴る側の腰は後ろに引かれ、脚を振り出す側の腰は前に出されます。


 脚との動き(下半身)と骨盤の動き(上半身)が同調しない意義としては、次のことがいえるそうです。

  1. 骨盤からひねると、骨盤から上が上半身となって質量が大きくなり、脚に与えられる反作用が大きくなり、より速い・強い蹴り動作や振り出し動作が可能となる。
  2. 股関節から下がスイングするので、体幹からひねるときと比べ、スイング部分が短く(角半径が小さい)なり、ピッチが速くなる。
  3. 骨盤が脚に先行して動く(蹴り動作の時に骨盤が前方に出て、振り出し動作の時には骨盤が後方に引かれる)ことでピッチが速くなる。


 この動作を意識することによって、ピッチの改善につなげた実践例があるそうです。我がチームの生徒にも、試してみようと思います (^_^) 。


 このほか、コアトレーニング、筋力トレーニングについての誤解など、指導者には必見の内容となっています。トレーニング本としては久々のおもしろい内容です。


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