山本文緒『恋愛中毒』角川文庫を読みました。


 8月7日の読売新聞「空想書店」で、400mハードラーの為末大選手が店主となり、自ら読んだ本を紹介していました。新渡戸稲造『武士道』、日本経済新聞社『敗因の本質』、ウィリアム・パウンドストーン『囚人のジレンマ』、司馬遼太郎坂の上の雲』、「日本の教育改革」有識者懇談会『なぜ今教育改革か』などの本と共に、『恋愛中毒』が紹介されていました。その紹介は次のとおりでした。


●『恋愛中毒』(山本文緒著、角川文庫、571円) 唯一読んだ恋愛小説。海外遠征の時に朝原宣治選手(大阪ガス、短距離日本代表)から薦められた。なるほど女性はこういう心境で恋をしているのかと納得。


 100mの朝原選手が為末選手にすすめたって聞いたからには、どんな本か読まなければならないでしょう。でもその本が恋愛小説なんて意外でした。


恋愛中毒 (角川文庫)

恋愛中毒 (角川文庫)


 作者の山本文緒さんは『プラナリア』という作品で直木賞をとった作家です。どこかで名前を聞いたことがあるなと思っていました。
 小説冒頭の「恋は人を壊す」という言葉が全編を象徴しています。最初に登場した恋人と別れた井口という青年の話と思いきや、水無月という会社の女性事務員の話に変わります。化粧気のない地味な外見からは想像がつかないうちに秘めた激しい性格。自らの恋の邪魔者が現れると、それを排除するために、いやがらせを行う。無言電話から生ゴミをポストに投棄したり、果てはトイレに監禁したりと。朝原選手はどういうつもりでこの本を為末選手にすすめたのでしょうかね (^_^) 。


 なるほど! と思ったら、ワンクリックを → 教育ブログRanking