イチゴ「さわやかな裏切り」
イチゴは野菜です。果物ではありません。果物と野菜の区別は、木と草の違いです。木本で、一度植えておけば永年的に収穫できるものが果物で、草本で短い期間で定期的に植え付けて収穫するものが野菜だそうです。
イチゴの真っ赤な部分は、本当は実ではありません。これはよく知られた話ですね。普通、雌しべの根元である子房が太って実になりますが、イチゴは花托(かたく)と呼ばれる花の付け根の部分が太ったものです。本当の実ではないので、それは偽果(ぎか)と呼ばれます。
本当の実は、イチゴの赤い部分に付いている粒々です。イチゴの花をよく見ると、雄しべに囲まれた部分に、雌しべが多数観察できます。イチゴの果実を縦に切ると白い筋を見ることができます。この白い筋が、イチゴの粒々である実に水分や栄養分を送るものです。
このイチゴの話は、稲垣栄洋「身近な野菜のなるほど観察」からです。この本には、日常の食卓にのっている43種類の野菜について、その生態、歴史、体のつくり、人との関係など、不思議な楽しい話が満載です。また、生物学と日常の橋渡しをしてくれる本でもあります。明日の初めての授業で、使ってみたいと思います (^_^) 。
- 作者: 稲垣栄洋,三上修
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
なるほど! と思ったら、ワンクリックを → 教育ブログRanking