普通科高校のインターンシップ

ote2006-09-17



 専門高校でのインターンシップは、企業インターンシップを中心として取組がなされています。専門高校では高校卒業後に就職する生徒も多く、自らが希望する業種職種が本当に興味・関心がもてるかどうか、また、仕事の内容について実際に知るために取り組まれています。このような取組によって、職業選択のミスマッチが少なくなり、早期離職者の防止等についても役立つものと考えられます。


 一方、普通科高校ではどうでしょうか。就職者の比較的多い学校では、専門高校のような取組がなされています。しかし、進学者の多い学校では、一般にインターンシップへの関心は薄いようです。普通科高校は大学へ多く進学するから、インターンシップはその時で十分であろう。大学へのオープンキャンパスへ行かしているから、必要はあまりない。勉強することが将来へつながるのだから、インターンシップへ行くよりも勉強をした方がよい。このような意見が聞かれます。


 経済産業省は昨年の1、2月に、全国の4年制大学に通う大学1年生〜4年生約6,500名を対象に、「進路選択に関する振返り調査」を行いました(ベネッセに委託)。この調査の中に、「大学でどのような専門分野を勉強するかを意識した時期はいつか」という質問があります。これでは、76,3%の学生が高校の時期であると回答しています(上図)。また、「進路選択の悩みはなにか」という問いについては、「行きたい大学(学部)の学習レベルが十分ではない(3年で意識した者の内の69,9%)」という回答が多いものの、「自分の適性が分からない(同67,2%)」「自分の将来就きたい職業がわからない(同70,1%)」という回答も高い割合を示しています。


 これらのことを考えると、多くの者が大学で勉強する専門分野を意識する高校において、大学を出てからどのような職業へ就くのかということを緩やかに考えていく必要があると思います。このことについて、企業、行政、職場としての学校などへ機会をつかまえてインターンシップへ行くことは、大変有意義なことだと思います。現実社会を体験することによって、「大学で何を学べばよいのかと考えたり」「自分の漠然とした職業観とのすり合わをしたり」「人生設計への意欲をもったり」などできるのではないでしょうか。


 進路指導としての大学進学への出口指導だけに偏ってはいけません。キャリア教育の視点をもって、高校生として自立した社会人を目指す取組が必要です。そのためには、普通科高校でもインターンシップに積極的に取り組む必要があるのではないでしょうか。また、社会においても、そういった高校生を受け入れる体制づくりが望まれます。


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