「天突く龍を作れ」


 長野県須坂市には、龍が臥しているように見える臥竜山(がりゅうざん)と呼ばれる山があります。近くの須坂高校では、7月に行われる「りんどう祭」と呼ばれる文化祭でそのシンボルとなる「巨龍」を4月から作り始めます。


 先週の金曜日に放映された、NHKのにんげんドキュメント『「天突く龍を作れ」〜長野・須坂高校文化祭の青春〜』では、その製作から「りんどう祭」後の解体までの過程を描いていました。


 全長20m、高さは校舎の3階に達する大きさなので、頭、首、胴体、腕、足、尾など10以上のパートに分けて進められます。有志で進めるのですが、最初から人手不足です。6月になると製作にかかわって人間関係にき裂が入ったり、受験や部活動から製作から遠のく生徒が多くなり、作業がなかなか進まなくなります。


 これまでいろいろな文化祭に携わってきましたが、クラスで何かを製作するとこれと同じことがよく起きました。番組と同じように責任者が帰りのHRで、皆に残って作業をするように呼びかけることもありました。結局は完成が近づくにつれて盛り上がるのですが。


 今から15年ほど前にわたしのクラスで製作した印象派の作家スラーの「グランド=ジャット島の日曜日の午後」のはり絵は忘れられません。この時の文化祭は、HRで何を製作するのかを話し合いをし、最後にわたしが提案した「ねぶた」をつくるのか、野球部のピッチャーだった生徒が提案した「はり絵」をつくるのかで決選投票になりました。結局「はり絵」をつくることになり、結構クラスも盛り上がり、よい仕上がりの「はり絵」ができました。


     (つり下げ作業中)


 子どもたちの将来にとって、何かに責任をもって取り組んだり、他の人と協力して何かに取り組んだりすることはとても大切なことです。そこで熱さを感じ取った生徒は、必ず将来その熱さをどこかで求めるのではないでしょうか。わたしたち教師は、何事かを成し遂げたときに生徒が「流す涙」を大切にしたいものです。この番組では教師の姿は一切出てきませんでした。しかし、これだけのイベントです。担当の先生方の苦労も大変なものだと思いました。須坂高校の皆さん、ご苦労様 (^_^) 。


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