文部科学大臣の発言、「ノーブレス・オブリージュ」を果たしているか

ote2006-03-08



 小坂文部科学大臣は、2月28日に荒川選手が表敬補問をした際に、競技の最後に演技したロシアのスルツカヤ選手が転倒して荒川選手の金メダルが決まった時の感想について、「人の不幸を喜んじゃいけないけれど、こけた時は喜びましたね。『これでやったー』と、ものすごい喜んだ」と発言しました。


 今朝、テレビでその時の様子が映し出されていましたが、荒川選手は笑いながらも、当惑していました。スルツカヤ選手が転倒したから優勝できたともとれる発言だからです。また、スポーツマンシップに照らしても、恥ずかしい発言です。とても、日本の教育行政のトップにいる方の発言であるとは考えられません。また、それで、なんと、文部科学省のホームページで、謝罪がなされています。

 ・・・(略)・・・ 懇談で、荒川選手の金メダル獲得が大変うれしいとはいえ、一部配慮に欠けた発言をしたことについては、深く反省しており、荒川選手及びスルツカヤ選手に対してお詫びを申し上げます。

平成18年3月6日 文部科学大臣 小坂 憲次


 ここで思い出したのは、「ノーブレス・オブリージュNoblesse Oblige)」という言葉です。身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観です。ノーブレストとは、貴族のこと。オブリージュとは、義務のこと。ちょっとこの言葉とはニュアンスが違うかもしれませんが、この時の発言は、文部科学大臣という職務に就いているものとして、その責任を果たしていないのではないでしょうか。文部科学大臣としての資質を疑われてもしかたがありません。


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