ベネッセ「中学校学習指導実態調査(理科教員)」より 2

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 ベネッセ研究開発センターのホームページを見ると、「中学校学習指導実態調査」の結果が、PDFで掲載されていました。
 今日は、昨日の続きを書きたいと思います。

日ごろから感じることは、

  • 理科離れが進んでいる」(42%)
  • 「子どもたちの自然体験が減ってきている」(85%)
  • 「実験を行う時間が十分にとれない」(60%)
  • 「今の学習指導要領では指導内容が不足している」(85%)


     


 「理科離れ」という言葉をよく聞きますが、その根拠となるのは何でしょうか。文部科学省の平成15年度小中教育課程実施状況調査の質問紙では、小・中学校ともに、「理科の勉強が好きだ」と回答する子どもの割合が、他教科よりも多いことが分かります。また、学力についても、同調査によれば、正答率は、ここ3回の調査において出題された同じ問題で比較すると、15年度が一番良い出来でした。ですから、「理科離れ」という言葉は、わたしにはピンと来ません。「理科離れ」については、また別に書いてみたいと思います。


 「今の学習指導要領では指導内容が不足している」と考えることは、旧課程と比較したらならば、至極当然だと思います。何しろ、総合的な学習の時間が入り、週五日制となりましたから。第一分野からは比熱、電力量、イオン、中和反応の量的関係、力の合成と分解、仕事が、第二分野からは大地の変化の一部、月の表面の様子、日本の天気の特徴、遺伝の規則性や生物の進化が高等学校へ移行統合されています。


 時間数がない現状では、次期改訂において、これらの内容がすべて戻ってくることはないでしょう。また、個に応じた指導として、「発展的な学習」を奨励していることもあり、個に応じた指導をする時間の確保がなされるでしょう。ですから、イオンなどの一部の内容が学習内容として戻ってくるのではないでしょうか。


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