ベネッセ「中学校学習指導実態調査(理科教員)」より

ベネッセ「中学校学習指導実態調査」

 
 ベネッセは、今年4〜7月に行った中学校学習指導に関する実態(理科調査)の結果を公表しました。全国の中学校理科教員6,627名が回答(有効回答率23,4%)しています。下は、その内容の一部です。

5年前との比較では、

  • 「獲得した知識を成果として発表する力」が高まった(17%)。
  • 「論理的にものを考える力」が低くなった(61%)。
  • 「学力水準」が低くなった(54%)。
  • 「学力格差」が大きくなった(34%)。


日ごろから感じることは、

  • 理科離れが進んでいる」(42%)
  • 「子どもたちの自然体験が減ってきている」(85%)
  • 「実験を行う時間が十分にとれない」(60%)
  • 「今の学習指導要領では指導内容が不足している」(85%)


発展的な学習の内容のベスト7(学習指導要領を超える内容)

  • レミングの法則(65%)
  • 日本の天気の特徴(62%)
  • 遺伝の仕組みや遺伝の規則性(42%)
  • 生物の進化(34%)
  • 力とばねののびの関係(33%)
  • 花の咲かない植物の特徴(31%)
  • 無脊椎動物の特徴(30%)


 5年前は、旧学習指導要領の下での教育課程でした。イオンや無脊椎動物の特徴など、今の水準よりも高い、幅の広い内容が取り扱われています。したがって、本来は、5年前の現在学習している範囲での比較をしなければなりませんが、そうは考えませんよね。当然、現行学習指導要領では、内容水準がやさしくなっていて、より深い論理的な思考を求めることはできないので、「論理的にものを考える力」が低下したと考えてもしかたがない部分があるのでしょう。


 学力格差については、塾などへ行ける子どもと行けない子どもの間で格差が大きくなること。また、塾では、学習が深まるので依然として学習指導要領を超えた内容で教えており、そういったところでも、学力格差が大きくなったと感じているのではないでしょうか。


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