司馬遼太郎記念館へ行きました

ote2005-09-21



 司馬遼太郎記念館へ行ってきました。場所は東大阪市下小阪です。ここには、司馬さんが住んでおられた家と、建築家の安藤忠雄さん設計の展示室をもつ建物があります。


 家の一角にある司馬さんの書斎は、司馬さんが亡くなられた96年2月12日そのままに保存されています。まるで、今にもデスクの司馬さんが現れそうな雰囲気です。


 また、展示室は圧巻です。展示室の壁面いっぱいに、高さ11m、33段の書棚が迫ってきます。蔵書は2万余冊あります。パンフレットには、「この記念館は、展示品を見るというより何かを感じ取っていただく場所でありたい」とあります。


 売店で、「二十一世紀に生きる君たちへ」という冊子を買いました。「二十一世紀に生きる君たちへ」という文章は、小学校6年生の国語の教科書用に書かれたものです。下の文章のその抜粋です。

 

 二十一世紀にあっては、科学と技術がもっとも発達するだろう。科学・技術がこう水のように人間をのみこんでしまってはならない。川の水を正しく流すように、君たちのしっかりとした自己が、科学と技術を支配し、よい方向に持っていってほしいのである。


 歴史小説家の司馬さんが、子どもたちに、科学・技術に支配されないように警鐘を鳴らしているのです。まさに、科学的リテラシーを身に付けるように言っているのです。以外でしたが、さすが司馬さんだと思いました。


 この冊子は、活字の文章とともに、司馬さんが推敲に推敲を重ねた直筆原稿をすべて掲載しています。緑鉛筆で濃く消された部分、赤鉛筆で文章の接続の変更を指示した部分、黄鉛筆で挿入を指示した部分、素人にはなかなか分かりにくいものがあります。でも、司馬さんの子どもたちへの真摯な態度が、その原稿の中にしっかりと読み取れました。


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