理科教育のレベルを上げるには

ote2005-09-15



 東京書籍の教科情報誌「教室の窓−小学校・中学校理科−」で、毛利衛さん(宇宙飛行士)と日置久光さん(文科省教科調査官)の対談が掲載されていました。「科学と子どもたちの未来」というテーマの対談です。


 いろいろ参考になった部分があるのですが、日置さんの次の部分になるほどと思いました。教員の資質を高める具体例ということで話が進められていました。


 理科には実験の準備や安全指導、薬品管理もあり時間と手間がかかる。そこで、なるべくTT(ティーティーチング)みたいな形で人的な支援をする。基本的に担任がTTを組みながらやれればいいと思います。担任が理科の授業をするから、教室内にメダカの水槽もあるし、理科的な掲示物もあるのです。理科の専門家を1人置いて理科室だけで理科が行われると、教室から自然や理科がなくなってしまいます。子どもたちが生活している教室にいつもいろいろな自然がある。そういう理科をやってほしいと思っています。


 昨年度までの文部科学省の学力向上フロンティアスクールでは、小学校における教員の得意分野を生かした教科担任制の導入に力を入れていました。また、小学校の理科教育関係の会議でも、理科が好きな先生が理科専科となって、子どもに教える必要があるという認識が多かったのです。


 わたしは、「開かれた理科」という考えが大切だと思っています。小学校では理科室だけの理科というのは成立しないと思います。それは、「閉じられた理科」だからです。


 先の日置さん話の水槽や掲示物の話だけでありません。理科は、他教科にも登場します。国語の説明文、社会の天気などなど、また、理科には、例えば「てこのしくみと働き」、グラフの作成などなど、算数の考え方が必要となります。そんな時に、相互に学習を、より生徒の実態に応じて深く振り返ることができるのは、担任の先生だけです。担任の先生が理科を担当しないと、理科が横断的に他の教科などとの関連のない「閉じられた理科」になってしまいます。


 また、専科の先生が中心だと、教室はおろか学校から理科の要素が減ってしまうかもしれません。それは困りますよね。また、理科の校内研修も減ってしまいますよね。

 
 理想的な姿は、理科が得意な先生を中心に、その先生の指導を共有しながら担任全員で取り組むことだと考えます。TTも組めたらベストですが (^_^) 。


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