キカラスウリ

ote2005-09-05



 子どもは、植物になる実が大好きです。わたしも、秋にはクルミの実を落として磨いたり、イチジクやアケビの実を採って食べたりしました。カラスウリの目立って赤くたれ下がる実を、秋の深まったころ採り、家へ持ち帰ったことを思い出します。


 写真は、キカラスウの雌花です。キカラスウリは、雌花がつく株と雄花がつく株が別々となる雌雄異株です。花は、8〜9月にかけて咲き、花冠は5つに裂け、へりは糸状に細かく裂け、ふさのようにたれ下がります。


 また、花は、夕方咲き始め、朝がくるとしおれ始めます。アレチノマツヨイグサと同じですね。やはりスズメガが蜜を吸いにくるそうです。


 カラスウリとの違いは、葉には毛がほとんどなく、すべすべしていること、実が黄熟することです。また、根からはデンプンをとり、天瓜粉(天花粉:てんかふん)を作ります(@_@)。また、根の皮は、瓜呂根(カロコン)という解熱剤の原料となります。


 カラスウリの名前の語源ですが、二通りの考えがあります。

  • 樹上に永らく果実が赤く残るのをカラスが残したものと見立てました(牧野植物図鑑)。
  • 中国からきた朱墨を「唐朱(からす)」といいます。この原料となる辰砂(しんしゃ)は橙を赤っぽくした色で、鶏卵状のものもあり、それと似ていることから唐朱瓜と呼んだそうです(中村浩「植物名の由来」)。


 わたしが驚いたことは、天花粉が、その昔、このキカラスウリの根から取ったデンプンからできていたことでした。で、今は何を原料に作っているかといえば、滑石(かっせき)という鉱物を粉砕してつくっているそうです。
 さらに驚いたことには、87年に、その滑石の中に、アスベストが微量に混入していた製品があり、当時、社会問題になったそうな。キカラスウリとは関係ありませんが、二度ビックリです (@_@) 。


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