「女王の教室」真矢先生

阿久津真矢

 

 私のクラスのルールを説明します。
 これから毎週月曜日にやるテストで成績が一番悪かった2名に代表委員というクラス内全ての雑用をやってもらいます。逆に上位2名には特権を与えます。
         日本テレビ「女王の教室」 土曜日夜9時放映

          

 「女王の教室」の阿久津真矢(天海祐希)は、まさに権威主義的な学級担任です。学級担任という権力を行使し、子どもを指導する内容によってではなく、権威自体に従わせていきます。


 第3話では、開校記念日にクラスダンスに取り組みます。子どもは、ダンスを通して自分を表現したり、ダンスを成功させて達成感を得るよりも、ダンスで真矢先生に認められることを目指します。


 子どもは、学級担任を自ら選べません。特に小学校では、基本的には学級担任が全教科を教えるので、権威的な教師が担任になると、その影響を全面的に受けることになります。また、中学校や高校では、こうした権威的な教師の存在は、他の教師集団の脅威となります。なぜなら、子どもは権威的な教師には、従順に従いますが、そうでない教師には、その逆に振る舞うようになるからです。


 学級担任の権威主義は排除しなければなりません。しかし、学級担任は権威的リーダーシップを、場面に応じて発揮しなければなりません。このリーダーシップは、学級担任に与えられた権限に、子どもが絶対的な価値を認め、受け入れたときに成立するものです。例えば、先生が、宿題の出し方やクラスでのルールを決める場合です。子どもがそれをもっともだと受け入れて初めて成立します。


 「女王の教室」と「ドラゴン桜」を比較すると、「女王の教室」の方がのめり込んで見ることができます。おそらく、「女王の教室」では、真矢先生にいじめられる子どもに感情移入できるからでしょう。息子も真矢先生にブツクサと文句を言いながら見ています。これって、制作者の意図にはまっていますよね。


 エンディングで、クランクアップした笑顔の天海祐希が映し出され、続いてダンスシーンとなります。これらのシーンがあるからこそ、張りつめていた緊張がとれ、ホッとするのですね (^_^) 。うまい演出です。


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