北欧の教育とは

ote2005-07-04

   

 asahi.com教育ニュース(7/4)によると、OECD経済協力開発機構)のPISA(国際的な学習到達度調査)で読解力トップなどの成績をあげたフィンランドから、トゥーラ・ハータイネン教育相が来日し、先月22日、日本記者クラブで会見しました(なぜ、今頃ニュースになるのかは疑問)。  

教育相が繰り返し言及したのは、学校の裁量の大きさだ。国はカリキュラムの大枠を決め、後は学校に任せていると述べた。視学官の査察はやめ、学校が自己評価している、とも説明。教員の質も高く、教師になるには修士号の取得が条件だと語った。


広瀬智子「考えながら、参加しながら学ぶ教育」岩波書店 世界5月号からフィンランドと同じ北欧のスウェーデンの小学校(基礎学校)教育の特徴をみてみます。

  1. 一斉授業よりも子どもそれぞれの学習計画によって、各自の学びが進められる。
  2. 日常的な授業に関係する教科書や教員配置、カリキュラムの組み方は学校が決める。
  3. 国語は、それぞれのレベルにあった単語と文法ドリルを自分のペースでやる。
  4. 読書重視で、毎日15分程度の本を読む。また、毎朝20分程度の読み聞かせの時間がある。
  5. 算数は一斉授業の後、練習問題をいろいろな道具を用いて学習する。日本の教科書よりも厚みがあり、応用問題も多くある。
  6. 英語教育は小学校3年生から。授業中はスウェーデン語は禁止。テレビの外国物は、ニュースも含めすべて字幕で吹き替えなし。生活の中でも英語に慣れさせる。
  7. 理科と社会は自由研究が中心
  8. 中学校二年生で、初めて成績がつく。高校、大学への入学試験はない。
  9. 「学校は民主主義を実践する場」と教員は考える。
  10. 競争がないので、自分のペースで学習ができる。学びの主体は子ども、必要なときに支援するのが教員の役割。
  11. 生涯学習が盛ん。大人の科学技術の素養も18カ国中1位。


 子どものペースで学習計画を立てることで、本当に学力が付くのと言いたいところですが。やはり入学試験がないのが大きな違いでしょうか(フィンランドではあるらしい)。先頃まで国際調査トップであった日本やシンガポールをはじめ、東アジアの国々の学習観では、理解しがたいものがあります。