自然体験を学習に取り入れる理由

ote2005-05-23



 自然体験的な学習とは、見る、聞く、味わう、嗅ぐ、触れるなどの五感を通して、自然に働きかけながら行う学習です。自然を観察をしたり、実際に生き物を育てたり、環境保護を行ったり、農業や漁業などを体験したりなど、様々な体験があります。学習ですから、体験を通して、子どもに付けたい力を明確にする必要があります。


 小学校の学習指導要領総則には、各教科において、体験的な学習を重視することがうたわれています。特に、理科、生活、総合的な学習の時間では、自然体験的な学習が重視されます。それはなぜでしょう。


 自然体験的な学習は、子どもたちの思考・判断や知識・理解の礎となります。それらを総合知とし、知識×自然体験で表すとします。例えば、知識が10あったとしても、自然体験が0ならば、総合知は10×0=0となります。知識が5でも、自然体験が1ならば、5×1=5となり、知識が5で自然体験が2ならば、5×2=10で、先の総合知の2倍となります。知識が小さくても、自然体験が小さくても、総合知は大きくなりません。


 都市化、少子化、人間関係の希薄化などの子どもを取り巻く環境の変化により、自然体験の機会がますます少なくなってきています。子どもたちの総合知を高めるために、地域や学校が自然体験の機会をつくる必要があります。