イチローと自己効力感


 野球フアンならずとも、イチローの守備には芸術を感じさせられます。最近では、こんなプレーがありました。

 マリナーズイチローが2日のエンゼルス戦で観衆の度肝を抜くスーパープレーを見せた。7回1死二塁、アンダーソンのこの日2本目の本塁打かと思われた打球だ。4年連続ゴールドグラブ賞の名手はボールの落下地点を予測すると、ボールから1度、目を切った。右足をフェンスにかけ、さらに右手で体を支えて滞空時間を稼ぐ。振り向くとボールが落ちてきた。(スポニチ 5/4)

 イチローは、こんな場面を狙っていたそうです。狙っていたからには、彼の頭の中には、このプレーのイメージがあったのでしょう。何度かは、想定して練習をしていたかもしれませんが、反復練習まではしていないでしょう。


 イチローは、「この場面では、こうしたら捕球できる」という自信をもっています。このように、「こうしたらできるという確信」を「自己効力感」といいます。


 この「自己効力感」、学習意欲を高めるために大切なものです。例えば、理科の実験で引っ込み思案になっている子どもがいます。いつも友達のそばにいて見ているだけ。そのような子どもの中には、「このように操作したら、結果がこうなり、実験は成功するであろう」という思いがもてない子どもがいます。つまり、「自己効力感」が低いのです。


 では、このような子どもに「自己効力感」をもたせるにはどうしたらよいでしょうか。次のようにしてみたらどうでしょう。理科の実験の場合で考えます。

  1. やさしい実験を自ら行う場面をつくってやり、うまくいったらほめてやり、失敗したら、どうしたらうまくいくのか一緒に考えます。
  2. 実験がうまくできた子どもの工夫を、クラス全体に見せます。これを代理経験といいます。
  3. 「意外に簡単にできるよ」「○○君だったらできるよ」と励まし、ネガティブな感情を抑えてやります。


 様々な場面でも上の方法は使えますね。と書いているうちに、次のイチローのニュースが入ってきました。

 マリナーズイチローは、エンゼルス戦で今季6度目の無安打に終わったが、5回に意地のレーザービームを見せた。定位置への右飛で三塁から果敢にタッチアップしたのはゲレロ。送球は三塁側にそれたが、捕手ウィルソンがうまくタッチ。今季初の本塁への補殺となったが「ちょっと伸びが足りなかった」と不満げ。(スポニチ 5/6)

 これは、イチローの身体能力と反復練習のたまものですね。今年のイチローも期待できそう !(^^)! 。