薬物乱用防止教室講習会

「薬物乱用防止教室講習会」



 昼の1時から,文部科学省教育委員会の共催で「薬物乱用防止教室講演会」が行われました。昼から授業がなかったので,生徒指導部からわたしが出席することになりました。しかし,昼の1時からとは,早く始まるものです。12時25分に授業が終わり,今日の放課後行われる大掃除等の手配をするともう1時前になっていました。普通,昼からの会議等は1時半開始が普通です。車で遅れて会場に到着すると,開会行事であいさつが終わったばかりの保健体育課長さんとばったり出会いました。早く始まったのは,東京からの講師さんの都合だったようです。なるほど。



 講師は国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の薬物依存研究部診断治療開発研究室長の松本俊彦さんです。目からうろこの講演でした。それは薬物依存の再発についてです。再発はその人に薬を断つ意思が薄弱だからと思っていました。しかし,そうではないことが分かりました。再発は過去の条件付けられた引き金(トリガー)によって起きるそうです。以前の仲間と偶然に出会う。薬物をやっていた場所を通る。薬物をやっていた時間になる。薬物をやっていたときに流れていた音楽を耳にする。いろいろなことが引き金となって再発が起きるそうです。


 ヒマだから薬物に手を出すのだから「仕事をすれば」というのも誤りです。ヒマではなく寂しいから薬物に手を出すのです。薬物に手を出すのならば「お酒にしたら」というのは大間違いです。毒性から言えばアルコールの方が身体に悪い影響を与えるそうです。「刑務所に入っていたのだから薬物依存から脱出しているだろう」というのも誤りです。先ほど述べたように,トリガーによって簡単に再発してしまうのです。


 薬物依存の再発は簡単に起きます。だから,説教や叱責,刑罰では逆効果なのです。ちゃんとしたプログラムによる治療が一番だそうです。現在,松本さんはSMARPPという治療プログラムを開発し,実践しています。講義やグループでの話し合いを通し、薬物摂取のきっかけになる出来事を見定め、繰り返さないための対処法などを依存者に考えてもらいます。問題の解決を図るのと同時に、自分自身の対処能力・自助力を伸ばしていく認知行動療法に基づいた心理療法を用いています。酒井法子さんは治療を受けずに薬物依存からの脱出を試みているようです。今日の話を聞いていて,果たして治療を受けずに薬物依存から本当に脱出できるか心配ですね。


 そして,もし生徒が薬物などで退学するならば,これからどこの機関で治療をしていかなければならないのかを教える必要があると松本さんはおっしゃっていました。親に保護能力がない場合,それは学校を離れるとその子が孤立する可能性があるからです。なるほどです。講師の松本さんは,滑舌よく機関銃のように2時間話し続けました。きっと頭の回転の速い方なんでしょう (^0^) 。


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