旬の和菓子

「栗きんとん和菓子」



 今年も嫁さんの実家から中津川「川上屋」の栗きんとんが送られてきました。「川上屋」は元治元年の創業。元治元年とは西暦1864年,時は幕末,蛤御門の変や下関戦争が起きた年です。


 島崎藤村『夜明け前』にもあるように,幕末,中津川は平田国学の中心となり,宿の多くの人びとがその門下となりました。また,賊軍とされた水戸浪士天狗党をかくまったり,長州の桂小五郎が藩主毛利敬親をこの地で待ち受け、藩論を尊王攘夷へと方向転換する会議(中津川会議)がもたれたりもしました。この頃誕生した「川上屋」はどのような時代を送っていたのでしょうか。


 さてお菓子のほうですが,2種類あります。1つは「栗きんとん」。国内産の栗を使用し、少量の砂糖を入れて炊き上げ、茶巾で絞ったものです。栗の風味が口のなかにふわっと細やかに広がります。もう1つは「さゝめさゝ栗」。さゝ栗(柴栗)*1のもつ自然で素朴な風味の栗きんとんを中身として、外側を蒸し羊羹でくるみ、更に竹皮で包み蒸し上げたものです。羊羹も甘すぎず,栗きんとんとよくマッチしています。


 旬の素材でつくられた和菓子は,季節を感じさせてくれます。若い頃は「和菓子なんて..」と思っていました。ようやくその価値が分かる歳になったのでしょうか (^0^) 。


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*1:自生する栗