教育実習終了

「教育実習:研究授業」



 今日で2週間の教育実習もおしまい。今年は生命環境科学学部でバイオサイエンスを専攻している女性の実習生の担当でした。途中文化祭もあるので,実質の授業ができる日は7日です。わたしは3年生の受験向けの演習の授業が多いので,それをやってもらうわけにもいかず,週1回ある1年生の「生物 I 」の授業*1で実習を行いました。しかし,文化祭のために一部の授業がカットされ,授業が十分に確保できそうもなかったので,同僚の先生に頼んで担当クラス以外でも授業をやらせてもらいました m(_ _)m 。


 最初の授業では上がってしまったのでしょうか。声は出ていましたが,演示実験で失敗したり,言うべきことを忘れたり,板書の位置がちぐはぐになってしまいました。2回目以降の授業では反省点を改善し,うまく板書もできていましたし,生徒とコミニュケーションをとって授業を進めることができました。


 研究授業は「酵素のはたらきと外的条件」。目標は「カタラーゼを利用した酵素実験や基質特異性の説明モデルを通して,温度などの外的条件が酵素の立体構造を変化させ,そのはたらきに影響を及ぼすことを見いだす。」です。また,この目標に到達した生徒の姿を「(思考・判断)高温により酵素が熱変性して活性部位の立体構造が変化することを,酵素の主成分がタンパク質であることと関連付けて考察できる。」としました。


 まず,酵素の活性部位と基質との関係である「鍵と鍵穴の関係」をモデルを用いて説明しました。次に演示実験で熱したレバーに過酸化水素を加え,反応しないことを確認させた後,なぜ反応しなかったのかプリントに図を用いて説明をさせました。「知識・理解」ではなく,「思考・判断」を評価するという,実習生にとってはハードルが高いものとなりました。


 これまでやってきた3回の授業に比べ,格段にストーリーがよい授業でした。前段で酵素の主成分がタンパク質であることと酵素と基質の「鍵と鍵穴の関係」を十分に理解させることができたので,「タンパク質が熱によって性質が変わる」というヒントで大半の生徒が「活性部位の立体構造が変わるので基質と反応できない」という内容で図をかき,説明を書きました。最終的に全ての生徒を目標まで到達させたということで,授業は成功でした。本人もこれまでよりも落ちついて授業ができたと感想を述べていました (^0^) 。たった4回の授業でしたが,随分と上達しました。


 最後の実習生の全体反省会では,実習生の担当教員を代表して2つのことを言いました。教職の道に進むにしろ,それ以外の道に進むにしろ,「誰のために役立ちたいのか」ということを考えること。「誰のために」と考えることで,その仕事に崇高な使命が与えられ,やりがいが生まれます。また,「先生は忙しい。大変な仕事だ。」という実習生に感想に対して,皆さんの見た教員の仕事は「氷山の一角」であること。そして,忙しいからこそやりがいもあるし,楽しいと付け加え,実習生の皆さんも忙しい職業に就くようにと話しました。実習生の皆さん,2週間ご苦労様でした (^0^) 。


 なるほど! と思ったら、ワンクリックを → 教育ブログRanking

*1:3クラス担当しています。