渡辺康幸『自ら育つ力−早稲田駅伝チーム復活への道−』
- 作者: 渡辺康幸,
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2008/11/28
- メディア: 単行本
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渡辺康幸『自ら育つ力』を読みました。’93年、渡辺氏が早稲田大学に入学した頃は、武井、櫛部、花田らのスター選手がおり、早稲田が結構強かったことを覚えています。また、渡辺氏の甘いマスクも印象的でした。でも、実業団に入ってからはなかなかマラソンで芽が出ませんでした。アキレス腱の故障の影響だったのですね。そんな、渡辺氏を再びテレビで見たのは数年前、えらくぽっちゃりしていて、びっくりしました(人のことは言えませんが)。
この本のタイトルが『自ら育つ力』ありますが、渡辺氏自身が人と出会い、それは恩師、先輩、ライバルそして教え子との多くの出会いであり、それらの出会いとともに自ら成長してきたのではないでしょうか。本の内容は、目標設定や自己管理などの個人やチームとしてのマネージメントの在り方について、箱根駅伝を通して書かれています。それらは渡辺氏の出会いの中で培われてきたものなのでしょう。
なるほどと思った部分を抜粋しました。
- 目標は現実の実力からみて110〜120%ぐらいが適切。
- 「有言実行」が好きだ。
- 手に届く目標を確実にクリアし、それを繰り返す。
- 自己成長サイクル
- カマスの実験(→学習性無気力感)
- 「礼にはじまり、礼に終わる」周りへの感謝
- リディアード式トレーニング
- 風邪は反論の余地がない。毎日の手洗い、うがい、食事、睡眠。これだけのことをしっかりしていれば防げる。
- 「やるべきことはちゃんとやる」
- 管理された集団の中で育ってくると思考が止まり自分で判断できなくなる面があるのだ。グランドでは真面目に走っていても、暴飲暴食で体重が増えたり、勉強の成績がわるくなったりと、自己管理の甘さがほかの部分に出てくる。・・(中略)・・。だから、僕は、管理の厳しい高校からきた選手は、羽を伸ばしすぎないように少し手綱を締めるようにしながら、自分で考えるクセをつけさせるようにしている。
- 成長を助ける5つの要素。1)明確な目標、2)自己管理、3)お手本とするモデル、4)ライバル、5)陽のオーラ
- 100%の力を出して勝てるかどうかがライバル
- チームの外の強いライバルがいて、チーム内にもライバルがいる。これがチーム全体が伸びる風土。
- 「楽観主義は意思に基づき、悲観主義は気分に基づく」アラン(仏)幸福論
- 目標を立て、「モデル」を真似ながらしっかりと自己管理し、「ライバル」としのぎを削る。くじけそうなときには「陽のオーラ」で奮い立つ。こうして成長のサイクルは回っていく。
- どんな状況下にあっても、自分の置かれた立場をしっかりと理解して、やるべきことをしっかりやる。こういう選手は強い。
- 不退転の姿勢は成長に欠かせない要素のひとつ。「n度めの正直」を繰り返せ。
- 「人生はまっすぐ走るなよ!まっすぐ走るのはロードだけでいい」スランプや挫折でモヤモヤしている選手には、そういう言葉をかけてやりたいと思う。
- 強いリーダーはチームを離れて上のステージで活躍する。あこがれのカリスマ性とその戦う姿がチームの求心力となればいいのだ。
チームづくりは難しいものです。それはクラスでも部活動でも。各自がチームの中での自分の役割を自ら考え、自らモチベーションを高めて行動できる。そんなチームを目指したいものです。
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