冬耕

冬耕



 季節の移ろいはやいもので、ついこの間まで暑い暑いと思っていましたら、もう冬がやって来ました。稲刈りも終わり、田んぼの土を耕耘機で起こしているところに遭遇します。俳人の黛執(まゆずみ しゅう)さんが詠んだ次のような句があります。

「冬耕の身を返すたび日傾く」


  冬耕とは、冬の季語ですが、稲刈りの済んだ田んぼを掘り起こすことをいいます。正月までにこうした荒起こしを行っておくと、土が肥え、次年度の耕作によいといわれています。なぜ、土が肥え、次年度の耕作によいのか調べてみました。すると、耕すことによって、土の乾燥が進み、乾燥に弱い多年生植物の地下茎や種子を殺す働きがあることが分かりました。ウリカワ、ミズガヤツリ、セリ、クログワイ、マツパイなどの多年生の草が減少したという実験も紹介されていました。冬に耕耘機で田を耕すという不思議でもあり、見過ごしてしまうような何げない光景でも、意味があるものだとあらためて感じました。


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