シロアリとボールペン
野外に放置されて朽ちた板に、ヤマトシロアリを見つけました。シロアリは分類的にはゴキブリやカマキリの仲間で、蛹にならずに成虫になります*1。アリはハチの仲間で、蛹になって成虫となります*2。ですから、シロアリとアリは系統学的には相当離れた昆虫なのです。
シロアリは、社会構造をもっています。女王アリは産卵。王アリは精子を提供。働きアリは、巣作り、食物の採取、子育て。兵隊アリは、巣を守ります。女王アリは、幅3㎝、長さ10㎝にもなりますよ。見てみたいし、おいしそうかな(^_^)。
シロアリの食物はおもに枯死した植物で、その主成分はセルロースです。しかし、シロアリ本体はセルロースを分解する能力が低く、消化管内の共生微生物の助けを借りています。
シロアリが食物を採りに巣から出るとき、先頭の兵隊アリは、お尻の近くの腹板腺と呼ばれるところから「道しるべフェロモン」を出します。後続は、この「道しるべフェロモン」を頼りに後に続きます。
ボールペンのインクに含まれるある化学成分*3は、この「道しるべフェロモン」の構造によく似ています。ですから、紙にボールペンで円を描いて、シロアリをその上に置くと、コースを外れることなく、シロアリはその線をたどって動きます。面白いですね(^_^)。