キャリア教育講演会


 今日、キャリア教育の講演会に参加しました。演題は、「これからのキャリア教育をどうすすめるか」です。キャリア教育については、フリーターやニートの問題を通して、断片的にしか知りませんでした。今日の講演会で、キャリア教育の概要を知ることができました。演者は、筑波大学の藤田晃之氏です。


 キャリア教育の定義は、「児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てる教育」です。以下は、講演内容です。

  1. 卒業後、正社員として仕事に就く気がしないので、フリーターになっている。
  2. フリーターは、定職に就きたいと思っても、仕事への具体的なイメージをもっていない。
  3. ニートはお気楽な”プータロー”だと思われているが、6割のニートが焦りをもっている。
  4. ニートには、困ったときの相談相手がいない。
  5. ニートが求職活動をしない理由の一番は、コミュニケーション能力がないと感じていることである。
  6. 高卒就職者の4人に1人は、1年以内に離職している。
  7. 教育改革の特徴には、選択教科科目の拡大、早期進路決定を促す高校の多様化(専門高校)などの「選択肢の拡大」がある。しかし、前提となる選択する力(進路選択力)が十分獲得されていない。
  8. 選択する力を付けるには、自己理解力(内に向かう力)、社会認識力・客観的知識(外に向かう力)が必要である。
  9. 進路指導とキャリア教育の違いは、前者は中・高等学校での取組だが、後者は小・中・高等学校での取組である。また、キャリア教育は、これまでの進路指導に職業教育が加わったものである。
  10. これまでの進路指導の取組は、キャリア教育の中核をなす。
  11. キャリア教育では、人間関係形成能力、将来設計能力、情報活用能力、意志決定能力の育成を行う。
  12. プロアクティブな指導・援助(事前)、リアクティブな指導・援助が必要(事後)。
  13. 学校教育では、プロアクティブな指導・援助が大切。職場体験や修行経験学習など。

 このような話の後、キャリア教育の視点などの話が、トピックスを交えてありました。


 わたしは、小学校段階でのキャリア教育がキーポイントだと思います。小学校の段階で、キャリア教育にかかわる基礎・基本が定着しないと、中・高等学校へ行っても様々な能力が育たないと思います。
 キャリア問題についても二極分化している現在、子どもたちの間で格差が開かないように、小学校段階での計画的なキャリア教育が望まれます。


下図は、キャリア教育にかかわる文部科学省の施策です。