急ごしらえの「ディベート」

ディベート



 昨日は3年生理型19名の夏期休業前の最後の授業でした。順当にやれば生態系分野*1の1時間目。でもとっても中途半端です。なので,これまで遺伝子の組み換え等のバイオテクノロジーについて授業をしてきたので,急ごしらえですがディベートをすることにしました。

 「遺伝子組換え作物の開発・利用を禁止すべきである。」

 このテーマに「賛成」と「反対」に分かれてです。前日に,賛成/反対の理由を数点詳細に挙げておくように指示しました。


 「賛成」と「反対」を聞いてみると,「賛成」7人,「反対」12人でした。そのままグループにして各グループで意見交換させました。次にディベートに参加する代表3人を決めさせました。


 3人が前に座ってディベートが始まりました。まずは各グループの意見陳述。「反対」派は,アメリカで遺伝子組換え作物のウシ・ブタの飼料が安定的に供給されていること,マーカーの除去の技術向上,農薬使用量が減少すること,食の幅が広がったことなどを挙げました。また,「賛成」派は,生態系への影響,安全というのに封じ込め施設があること。除草剤耐性植物の誕生,特定企業による寡占などを挙げました。


 時間がなかったので,各グループが他方に対して意見を言い,それに対する反論をさせました。そこでは,「安全性についてはこれまでの品種改良と変わらない」「遺伝子組換え作物は自然界では繁殖するにはひ弱である,経済面では農家にとっても生産性アップでよい話だ」「遺伝子組換え食品の安全性チェックは大腸菌で行われているので,実用に近い形ではない」「農家は手間暇かけて農作物をつくるべきだ」などなどについて議論されました。が,話は平行線に終わりました。もう少し時間をかけてこのような取組ができたらよいのですが。


 学んだ知識が生きた知識へ変わる過程を見たように思います。実際法律を作るときなどは,このような話合いが行われているというようなことも最後に少しだけ話をしました。優秀な生徒たちで,急ごしらえでほとんど準備ができていないなかでしたが,ディベートは盛り上がりました (^0^) 。


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*1:正確には「個体群の構造と維持」