水野正好「ひとすじの道 ただひたすらに」−文化講演会−

水野正好



  勤務校は二期制です。昨日まで前期末考査があり、今日から後期が始まりました。昨年は全校集会の後いきなり授業だったのですが、今年は学期の区切り感をつくるために授業は行わず、文化講演会を行いました。演者は大阪府文化財センター理事長の水野正好先生です。


  この先生の講演は定評があり、なんと御年74歳ながら考古学のおもしろさを興味深さを、楽しくかつパワフルな語り口でわかりやすく教えてくださいます。2年ほど前、ナウマンゾウの発見をテーマにした講演を聴いて、先生の勢いに圧倒されてしまいました。


  ですから、今日の講演も楽しみにしていました。今日は現代日本考古学の黎明期について、森本六爾(もりもと ろくじ、1903-1936)とその周辺で活躍した考古学者について、その業績や学問に注ぐ情熱について、ユーモアを交えてパワフルに紹介をしてくれました。若き日に弥生時代から日本の稲作が始まったことを土器に付いた籾から推測した森本六爾、森本があることを予測した水田跡を発見し、また、岩宿遺跡の発見から日本の旧石器時代を確かめた杉原荘介などの考古学者についてです。まさに演題どおり、「ひとすじの道 ただひたすらに」でした。


  この講演を聴き、一人でも多くの生徒が自分の将来に思いを馳せ、学問にしろ、仕事にしろ、情熱をもって取り組める人物になってもらいたいものです。また、勉強をそっちのけとはいいませんが、演者の水野先生が高校生時代に学校にも行かず全国の遺跡を巡ったように(それくらいに)、学問に対して熱くなる生徒がいてもいいような気がしました。

  90分の講演があっという間でした。また、機会があれば水野先生の講演を聴いてみたいものです。


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