林成之『勝負脳』講談社現代新書を読みました。
- 作者: 林成之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/10/21
- メディア: 新書
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北京五輪競泳二次合宿最終日(5月31日)、『勝負脳』の著者、林成之氏の講義がありました。
日大大学院総合科学研究科の林成之教授(脳神経外科)による「超一流スイマーの勝負脳を駆使する脳科学の戦略」。同教授による講義は2度目。試合で能力を100%出し切るための方法や、ベテラン選手が力を発揮できなくなる理由などを、脳科学の分野から解説した。 (msn産経ニュース 6月30日)
林成之『勝負脳』は2年前に出版された本ですが、北島康介選手がこの講義を受けたということで再び話題となっています。DVDを借りにTUTAYAへ行くと、平積みされており衝動的に買ってしまいました (^_^) 。この本は、運動はバイオメカニクスというイメージを払拭させてくれる1冊です。
「勝負脳」とは、独創的な戦略を考え出して勝利をつかみとる能力です。その1つとして、記憶と心が連動している(モジュレーター機能)、運動のイメージ記憶の特性を踏まえたサイコサイバネティックス理論を提唱しています。この理論は次の3つの作業が必要となります。
- 目的と目標を明確にする。
- 目標達成の具体的な方法を明らかにして実行する。
- 目的を達せするまで、その実行を中止しない。
例えば陸上競技で考えてみると、わたしの学校が1600mリレーで全国大会へ出場するという目的を立てた場合、目標を最大スピードとスピード持久力の向上とします。それを達成するために、各人の最大筋力に基づいたウエイトトレーニングや150〜300mを中心とした走り込みに取り組みます。これが目標達成のための具体的な方法です。そして、何が何でもこれを継続して取り組むことことが大切になってきます。
そのほかに、脳の特性を踏まえながら次のような提案があります。
- 最初から100%集中せよ、
- 攻撃には攻撃を
- 相手の長所を打ち砕け(本当に勝ったと思うのは、相手の長所を打ち砕いたときのみ)
- 相手の立場になって勝ち方のイメージをつくれ
- 集中力を妨げる脳の温度上昇に注意(わきの下や首筋を冷やして、血液を冷やす。自律神経を調節させるため、ツボがある肩甲骨の間を冷やすこと。)
- 脳の疲労をとる(気楽な仲間と軽い話をしたり、一人で楽しいことを思い浮かべたりする。入浴、緑茶を飲む、ビタミンB群を摂取する。)
- 勝負中にはリラックスをしようと思わない
- 緊張を緩和する(腹式呼吸、伸筋と屈筋の意識、笑顔。)
- 結果を意識しない(一つ一つに集中)
軽く読めて、目からうろこの一冊です。ご一読を!
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